初めて参列したお葬式は社葬でした

短大を出て、新卒で勤め始めて2年目のことです。会社の創業者であり社長の父親でもある会長が突然亡くなり、大阪で大手の斎場で社葬が行われることになりました。この社葬が、私にとって人生で初めて参列したお葬式となりました。

 

私は喪服を持っておらず、社葬の決定に焦りましたが、周囲の同僚も同様で、社葬があると決まった次の休日に、皆喪服を買いに行きました。長く着られるものをと思い、私はデパートで購入しました。バッグも買わなければならず、総額で6~7万円の出費となりました。当時はクレジットカードを持っていなかったので現金払いです。一人暮らしをしていた私は、生活費が足りなくなり、後日母にお金を送って貰いました。

 

社葬当日は、私たち平の社員は皆一か所に集められて整列し、弔問客に頭を下げる、という役割が割り当てられました。長時間立ち通しになるので、気分が悪くなったり、貧血を起こしたりする女性が何人かいたようです。
顔もあまり覚えていない会長の死を悲しむ気持ちは湧き起こらず、社葬の仰々しさに驚きくばかりの体験でした。