私の父が亡くなって、この9月で、ちょうど6年になりました。
父の葬儀は、葬儀社所有の「ホール」で執り行いました。
参列者としては何度か経験がありましたが、遺族としては初めてのことで、知らない作法やしきたりで、右往左往しました。
葬儀場のプロが殆どしてくれるのですが、こちらは慣れない事に手間取ったり、会う人達に気遣ったりしました。
経験のある人のアドバイスで何とか乗り切りましたが、全部終えた時は、本当に疲れました。
第三者の時は「お疲れが出ませんように」と労いの言葉をかけていたのですが、当事者になると、この言葉の意味を痛感しました。
お通夜を終えた時、ちょっと不思議な体験をしました。
その晩は、この世では父と最後になるので、父が安置された部屋で、親族五人がビールを飲んで、お互い労をねぎらいました。
ふっと父の遺影に目をやると、父の唇が一瞬蛍光色に光り、口角が上がって見えました。
まるで父が「よくやってくれたな〜」と喜んでいるように感じました。
不思議な体験は、これっきりなのですが、父が喜んでくれたのなら、それでいい。本望なのです。
もう6年も前になりますが、このことは今でもはっきりと記憶しています。