故人の希望と家族の思いを実現できる家族葬

大阪に住んでいた私の叔母が亡くなりました。葬儀は大阪で家族葬という形で行われました。叔母には一人娘がいますが、現在はアメリカ人の夫と三人の娘とニューヨークで暮らしています。叔母は、自分が亡くなった時に周りの方に迷惑をかけたくないと常々言っていました。早い時期から終活をはじめ、自分の葬儀は家族葬と決めていました。ある日、叔母に家族葬の事前相談への付き添いを頼まれました。そして、その場で会場・祭壇・棺などすべて決めてしまったのです。叔母の希望はお金のかからないシンプルな葬儀、祭壇も何もかも簡素なものでしたが、私は少々寂しい印象を受けました。それから三か月後に叔母が急逝しました。折しも学校が休みの時期だったため、娘と三人の孫が駆けつけてきました。叔母の意向を説明しましたが、娘としてはやはり寂しすぎると思い、お金をかけず少し華やかに送る方法を考えました。叔母は、着付けの師範だったため着物をたくさん持っていました。その着物を葬儀の会場に飾りました。また、三人の孫たちがゴスペルを歌い叔母を讃えました。本来なら、華やかな着物を飾ったり宗派の違うゴスペルを歌うことなどご法度ですが、家族葬なら実現できます。

叔母の希望通り、シンプルでお金がかからず、しかも愛情がこもった葬儀ができたと思いました。