首都圏では、火葬場の不足が現実になっています。日時によっては遺族が長期間火葬を待たされます。そこで、これまで閉めていた友引の日に火葬場を開けて、火葬時間の枠を広げる斎場が現れています。首都圏以外でも、火葬場不足から、友引に火葬する斎場も現れています(名古屋市)。友を引き寄せるので縁起が悪いとして、友引の日に火葬を避けてきた地域は多いが、そうも言っていられないのです。日本国内の死亡者数は推計で、2039年には3割増(2015年比)の167万人と最多になります。首都圏では、5割増(2015年比)を超す自治体もあります。首都圏では、火葬場は需要超過にあるのです。斎場(葬儀場)では「通夜と告別式を一緒にすれば1週間から10日待ちもある」(都内の葬祭業者)という。こうした事情から、家族・近親者だけの葬儀である家族葬が増えています。東京都のある斎場では、参列者(会葬者)が200人規模の葬儀は、現在は月に3件あるかないかという状況です。こうして、家族葬がさらに簡素化されて、お通夜や葬式・告別式をせずに火葬場に遺体を運ぶだけの直葬の増加も最近の傾向です。